The Jazz Piano Book 第10回2010/12/05 11:17

稲森康利ジャズピアノ講座
ザ・ジャズピアノ・ブック 第10回   2010.11.28

今回はフォース・コードとアッパーストラクチャー・トライアド()を勉強しました。フォース・コードは4度構成和音、アッパーストラクチャー・トライアドはトライトーンの上に作るトライアド(3和音)のことです。
『Mirror, Mirror』By Chick Coreaを例にハーモナイズを学びました。
前回のSo Whatコードやフォース・コード、アッパーストラクチャー・トライアドが加わるとハーモニーが格段に豊かになると感じました。

稲森先生がクラシックとジャズでフォース・コードの使われ方がどのように違うのかを話されました。
クラシック音楽ではドビュッシー、ラウ゛ェルが4度構成和音を部分的に使っていたが、現代のジャズではフォース・コードを連続的、多発的に使用していること。
クラシック和声では禁じられている導音と解決音の同時使用がジャズのフォース・コードでは許されていること。

クラシック和声では出せない、新しくかつ美しいハーモニーを持っていることがジャズの大きな魅力ではないかと思いました。

次回もアッパーストラクチャー・トライアドの続きです。

(文:川地千賀)

☆「リードシート奏法4」はポリコード(アッパーストラクチャートライアド)、フォースコードを学習するテキストです。多くの練習課題をこなしながら確実に身につけることができます。

リードシート奏法ポピュラーピアノ上級編」第3回勉強会2010/12/09 11:15

間島佳代子ポピュラー・ジャズピアノ教室(伊那市)
第3回勉強会レポート

間島佳代子ポピュラージャズピアノ教室では、「リードシート奏法 ポピュラーピアノ上級編 アルペジオと転調の技法」を教材に3回目の勉強会を行いました。(全3回)
教材に沿って、2ndコーラスの技法として、アルペジオ奏法・転調と扱い、今回は6度(3度)の重音奏を扱いました。この弾き方は、メロディーを6度や3度で弾くもので、一見単純・明快ですが、特に6度は弾いてみるとなかなか難しいものです。即興的に弾けるようになるまでにはかなりの練習を要することでしょう。しかし、そういった努力が必要なことは言うまでもないことですから、弾き続けるしかありません。練習課題の「白い恋人たち」(フランシス・レイ)と「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」(ボート・ハワード)は、6度(3度)の重音奏が本当に美しくはまる曲で、それだけで素敵なアレンジが完成します。
さて、前回に引き続き、併せてコード分析も行いました。今回は代理和音について、踏み込んで学びました。例えば、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」で、Deceptive Cadence(仮終止)としてⅠの代理コードの#Ⅳm7(♭5)を置き、最終的に新調へ向かうコード進行など。なんてハイセンスなハーモニーの展開だろう!とハッとします。代理和音、やはり大事ですね。以下受講者のコメントです。
「代理和音を使うことで曲のニュアンスが変わるので面白く感じた。スケールに当てはめるだけ(固有和音だけ)では単純だが、とてもお洒落に変化する様子が分かった」
「色々な技法を知って勉強になった。曲の構成など、考えたことがなかったが、気にかけて聴くようになった。まだ勉強が必要だが、身につけていきたい」
「最初はコードが分からない状態だったが、コードの基本から、曲の構成など色々知ることができ、とても良かった」
「まだ曲をスムーズに弾くことができないが、続けて取り組みます」
「3回目で少しだけ和音分析についていけた(まだまだですが)でも嬉しい。今まで漠然と捉えていたディミニッシュの用法もよくわかった」
「今まで譜面に書かれているものをそのとおり弾くことがほとんどだったので正直難しかった。でもとても素敵で自分ももっと勉強してみたくなった。目標ができた」

3回を通して、楽譜通り弾くやり方ではない、このような奏法に、最初はびっくりされたかもしれませんが、皆さんの、勉強したい、身につけたい、という思いがどんどん強くなっていく様子が伝わってきました。また機会があったら続きを学びたい、というお声もたくさんいただき嬉しく思います。またそういった機会が持てるようにしたいと考えています。

(文:間島佳代子)

[Jazz on Youtube]“Tommy Flanagan Trio”2010/12/13 11:12

トミー・フラナガン・トリオ

http://www.youtube.com/watch?v=F2MLurkhiDw&feature=player_embedded

トミー・フラナガンは、1930年3月16日、デトロイトに生まれました。父はギタリスト、母はピアニストでした。5歳でクラリネットを、11歳でピアノを始め、15歳ですでにプロデビューを飾っています。デクスター・ゴードンやミルト・ジャクソンのグループに参加後、1960年代にはコールマン・ホーキンス・カルテットで活動しました。1964年、エラ・フィッツジェラルドの伴奏者として来日し、日本のジャズファンの注目を浴びることになりました。エラとの共演は長く続きます。

バンドリーダーとしても、「オーヴァーシーズ」(1957年スウェーデン録音)が後に幻の名盤となります。ドラムにはまだ若きエルヴィン・ジョーンズが参加していました。
1978年にはレジー・ワークマン、ジョー・チェンバースとともに「スーパー・ジャズ・トリオ」を結成し、レコーディングしています。
ジョン・コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」、ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」など名アルバムと言われる数々のレコーディングにも参加しています。   
2001年11月16日、71歳で永眠しました。生涯に4度グラミー賞にノミネートされています。

 この映像は、1991年、Cologne Flanaganで収録されたライブ演奏です。ベースはジョージ・ムラツ、ドラムはボビー・ダーハム。ピアノの手元もよくわかる見やすい映像です。彼のスウィンギーで、てらいのない、堅実なジャズをお楽しみください。

池田みどり

「ポピュラーピアノ奏法」第5回目2010/12/22 11:08

稲森康利ポピュラーピアノ講座
「ポピュラーピアノ奏法1」第5回目を受講して 2010年12月12日

本格的なJazz Sound、2Hands Voicing(トゥーハンドボイシング)によるジャズコード構成法の学習が始まりました。
今回の講座のポイントとなるのはLow PositionのBasic Type、TypeⅠ、TypeⅡの把握。それとHigh Position の間を補う音(殆どがテンションノート)を把握することです。ある程度、ポピュラーピアノ奏法を演奏されている方は、この2Hands Voicingは新鮮な学習法として多少、イエイエ大きな喜びと共にすんなりと受け入れられたと思います。実習課題と模範解答が5曲ずつテキストに掲載されていますが、本当に美しいサウンドです。

一方で、この講座のスタートと共に、これからポピュラー、ジャズピアノを学んでみたいと、この段階まで進んでこられた方には、短期間ですべてのコードでテンションノートを把握するのは難しかったのではないかと思います。テキストのEXERCISE 1~3をコードの各音のディグリーを確認しながら練習されるとより早くポジション、テンションが把握できるのではないでしょうか。又、テンションが補われたコードの響きをよく聴くことは大事な学習だと思いす。

2Hands Voicingに入って、クラシック和声とジャズ和声の違いが明瞭になります。両者の響きの違いは明らかです。2Hands Voicingはジャズヴォイシングの基本となるものです。模範解答や先生の多くのアレンジをお手本に、この他のいろいろな技法も用いて曲を完成させることができたら何と素晴らしいのでしょう!

稲森先生、今回もありがとうございました。
月日はこちらの気分にお構いなしに新しい年に向かっております。私はアタフタ、アタフタの一年でしたが、皆様はどんな一年をお過ごしでしたか?
よいお年をお迎え下さい!

(文:山口万弥)

講座テキスト:「ポピュラーピアノ奏法1」

☆「リードシート奏法3」は2Hands Voicingを学習するテキストです。多くの練習課題をこなしながら確実に身につけることができます。