森健さんのコンサート2016/07/02 23:10

2016年7月(金)、青砥のシンフォニーホールで行われたサマーコンサートを聞いた。前半はクラシック、後半はジャズというなかなかない構成だ。まずピティナコンペティションで金賞を受賞した鳥居大輔さんの達者な演奏でショパンの革命」「幻想即興曲などを楽しんだ。続いて遣田由美子さんがクラリネットを演奏した。クラリネットが演奏するフォーレのシチリアーノやカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲を初めて聞いた。この楽器の音色で聞くと、甘美なメロディーからその輪郭くっきりと浮かびあがってくる。楽器が異なれば、表現の可能性も広がるものだ。

第2部は、森健(p)、木村伸広(b)、平沢清二(dr)のトリオ演奏だった。まず「Everything Happens To Me」。そして次に「シャレード」を演奏する前、森さんは稲森康利先生の思い出を話された。若き日、レッスンを受けるために緊張しながら教室への階段を上っていくと、先生が演奏する美しいピアノが聞こえてきた。ドアの前にずっとたたずんで聞きほれていたという。その曲がシャレードだった。私が先生の教室に通い始めたのも同じころだ。森さんの演奏を聴きながらぐんでしまった。1980年代後半のことだから、もう遥か昔というほかない。続いて「There Is No Greater Love」。クラリネットの遣田さんも参加して「ロシュフォールの恋人たち」。演奏曲目も稲森先生好み。続いてボーカルの渡辺美貴さんが加わり「星に願いを」「ムーンリバー」「ラヴィアンローズ」などを歌い、美しい歌声と華やかな舞台を楽しませてもらった

終演後、ロビーで森さんやベースの木村さんと少しお話しすることができた。森さんは、稲森先生からたくさんのものを得たという。そして観客を楽しませるすべも心得たジャズピアニストとなられた。このコンサートに稲森先生をお連れしたかったと思った。   茂木千加子


森健さんからのメッセージ

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