サマーコンサートを開きます2016/06/22 15:31

森 健(Piano):

作曲を野田暉行氏・岡坂慶紀氏に師事。

ピアノを神野明氏、ジャズを稲森康利氏に師事。

現在都心を中心にライブ活動・レコーディング・作編曲を行っている。

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このたび(7/1)かつしかシンフォニーヒルズ・アイリスホールにてサマーコンサートを行うことになりました。名曲を広く皆さんに聴いていただきたいという趣旨に、葛飾区教育委員会様から後援をいただき、さらにイナモリ・メソッド研究会様からご協賛をいただきましたこと、誠にうれしく、光栄に存じます。

さて、稲森先生は私の師であり、仲人もしていただき、まるで家族のように親しくしていただきました。あまりにも大きな存在であり、私の演奏法の多くの部分が稲森先生によって授けられたものです。日頃の練習時にも稲森先生の本は手放せません。ひとたびページを開くと、そこには演奏のヒントや語法、発展・展開と、まるで、音楽の宝庫が語りかけてくるかのようです。スランプの時など、何度先生の本に救われたかしれません。

稲森先生は昨年20151029日にご他界なされました。私ども弟子たちは、あまりにも大きな喪失感にみまわれ、しばらくは、ショックから立ち直れませんでした。私は「いつか、立派に演奏している自分をみてもらいたい」などという想いを抱いていた部分もありました。その「いつか」がもうおとずれない事実に目眩を感じたほどです。私は、今回コンサートで演奏を共に行うベーシスト木村伸広氏とドラマー平沢清二氏に出会い、本当に恵まれていると思っています。最高のメンバーと思っております。木村伸広氏とは何年も演奏していながら、彼が稲森先生の晩年のトリオでベースを演奏していたということを、ごく最近知りました。何という巡り合わせでしょうか。私は稲森先生が巡り合わせてくれた幸運と信じています。

今回のサマーコンサートはそういった意味でも特別なコンサートであり、稲森先生の音楽法も十分に奏でたいと思っております。 そして、これをスタートラインと考え、生き生きと楽しい演奏会になるよう努めます。どうぞ、みなさま、ともに楽しい時間をすごしましょう。よろしくお願い申し上げます。                             

                                                                                                  

◆Jazz & Classicサマーコンサート
 ジャズとクラシックの名曲が楽しめます。
 2016年7月1日(金) 開場18:30  開演19:00
 かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール(京成線青砥駅下車5分)
 入場料1,500円
 出演:渡辺美貴(vi & voc)、鳥居大輔(p)、遣田由美子(Cl)
    木村伸広(b)、平沢清二(b)、森健(p)
 主催:かつしか音楽振興ネットワーク
 後援:葛飾区教育委員会
 協賛:イナモリ・メソッド研究会

第1回リュシーメソッド発表会2016/05/14 21:03

5月14日(金)に杉並公会堂小ホールで行われた稲森訓敏先生主催のリュシーメソッド第1回演奏発表会に行ってきました。稲森訓敏先生は、故稲森康利先生の甥御さんで、イナモリ・メソッド研究会の理事も務めていただいています。

10人の方たちがピアノを演奏しました。出演者は達者にピアノを弾く方たちばかりで、その上で表現法を研究されて今日の発表会に臨まれたわけです。どなたの演奏もきちんと音楽になっていてここちよく、楽しみました。これがリュシーメソッドの威力なのでしょう。曲目はショパンが多く、ラベル、プーランク、リャードフ、モーツァルト、シューマンも。小学校3年生の女の子も演奏しましたが、ピアノも達者、演奏内容もみごとでびっくりです。タイのバンコク在住で通信指導を受けている方も録音で参加。この方はイナモリ・メソッド通信教育でジャズも勉強中です。

休憩後は、稲森訓敏先生の渾身の指揮で女声合唱組曲「遥かな歩み」を聞きました。この三唱(さぶしょう)という国立音大OGで結成された合唱団が歌うのは、高田三郎作品のみとのことです。

一言で言って「音楽っていいな」と思った演奏会でした。やはり然るべく表現されてこそ音楽なのです。リュシーメソッドは、以前、稲森訓敏先生の講座を受講してフレーズの作り方のお話しを聞きましたが、ルバートの表現に関するものもあるとのこと。各自の感覚的な処理に任されている事柄がどんなふうにメソッド化されているのか、ますます興味が湧いてきました。 

                         文:茂木千加子


リュシーメソッドホームページ
http://homepage3.nifty.com/lussy-method/


絶対音感2013/07/30 22:04

音楽に関わる人たちは、皆さん「絶対音感」に関心をお持ちのことと思います。そこで、江口式創始者である江口寿子先生師事され、教室で絶対音感を指導されている坂東仁美さん(稲森康利先生に師事してジャズピアノ研究中)に、指導経験も踏まえて紹介文を書いていただきました。江口式は、幼児教育の一環として、絶対音感の訓練と相対音感の訓練を組み合わせた方式です。

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【江口式絶対音感プログラム】
絶対音感はかつては、生まれつきの才能と思われていましたが現在では訓練によって身につける事ができる幼児の才能開発の一つです。但し絶対音感を身につけるには2歳位から始めるのが理想で遅くとも6歳半迄に始めないと身につきません。人間の脳の発達期(右脳の時期)にしか身につけることはできません。これは脳科学者の方々の研究で、科学的にも証明されています。ですので残念ながら私たち大人には、どんなに頑張っても身につけることはできません。

でもがっかりしないでくださいヽ(`⌒´)ノ  大人は相対音感の練習をすれば良いのです。 大人が身につけられるとしたら、与えられたある1音を手掛かりを元にそこから比べていく、相対音感というものになります。

絶対音感の訓練にはピッチ式とクローマ式があります。
ピッチ式というのは始めから単音で入れていくため、仕上がっても単音としてのイメージが強すぎて、転調していても全く気が付かないということにもなりかねないのです。
余談ですが、昔々ピッチ式でついた人の中に、戦時中に戦闘機の音や魚雷を聴き分けるために訓練された、気の毒な絶対音感を身につけてしまった方もおられたそうです・・・。
ピッチ式の人はいつも同じピッチでないと気持ちが悪かったり、その人が訓練した時のピッチと聴いた音楽のピッチ(近頃はオケも高めですよね~)が違ったりすると演奏会に行っても気持ちが悪くて楽しめないとか・・・。また無伴奏で合唱をした時に全体にピッチが下がってくると気持ちが悪くて一緒に歌えないというような事になってしまい、持っていても不自由なものになる人もいるようです。
ただこれは調性の枠組みの理解やスケールや転調といったものの訓練をしておけば解消されるはず、ですの気持ち悪いなどと言っている人はそこまでの勉強をしなかった人ということになるのでしょう。

私がご指導している江口式(クローマ式)は始めの段階に和音でいれていきますので、その人が音楽の流れの中(たとえば(ⅠⅣⅤⅠ)で音をチョイスしていくので、とても自然に歌うように聴こえてきます。取り出す力といった方がわりやすいかもしれません。

【練習方法】
具体的には主要3和音の転回型である9個の和音と、A、D、E、B♭、E♭で計14種類の和音をお母様の弾かれるピアノの音で記憶します。お子さんは1~2歳ですので、色ハタを使います(*^-^*)ノ~~~『あか~、ちいろ~(キイロ)』という感じですね(。◕‿◕。)かわいい
そして最後にその中からチョイスしていきます。

 絶対音感のお稽古を成功させるには毎日決まった量の音と問題をピアノでお母様に弾いて頂きます。でもここが重要で育児もなさる訳ですから飽きっぽい(人間は基本そうです!)お子さんをどう練習に誘うかでみなさん苦労なさいます。ここでそうしたお子さんのコントロールがお上手なお母様や親子関係もでてまいります。私たちインストラクターはそのお母さま方にどのようなアドバイスができるかがとても重要になってまいります。

また、身につけた絶対音感はその後のケアをちゃんとしないと自然に消えてしまいます。
私のお教室ではついた絶対音感を安定させるため、単音がピアノの鍵盤の88鍵全てが正答した後に、コードネームの音当て(4和音、5和音、6和音)やスケールの音当てなどをしてさらに相対音感の練習をいたしますので子共たちはクラシックに限らず、いつの間にかジャズやポップスも楽しんで弾いています。また、耳コピーが得意なので、流行りの曲も自分で聴き取って伴奏をつけて弾いています。C管以外の管楽器をはじめる場合はなおさらです。稲森先生のジャズキッズなどは大人気で、子供たちが耳でアドリブをコピーしたり、自分のアイデアで楽しんで弾いてます。

まとめ
私は、ただ音がわかる絶対音感などは無意味だと思っております、使えてこその絶対音感です。 ついた音感はその子供た
ちが自分の足で(指ですね~)歩いて使ってこそ意味があると思います。 ここらあたりで、ソルフェージュの重要性がで
てまいりますね。

文: 坂東仁美
白金高輪ひとみ音楽教室♪
http://www.hitomi-music.com/


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さらに興味のある方はこちらもどうぞ。
絶対音感保有者の音楽的音高認知過程 1997年度~1998 年度 文部省科学研究費補助金 (基盤研究 C ) 研究成果報告書
http://www.human.niigata-u.ac.jp/~psy/miyazaki/Papers/Report1999/Report1999.html

リュシーメソッド「音楽のリズム」を受講して2013/07/10 22:00

6月28日(金)、稲森訓敏先生によるリュシーメソッドの講座「音楽のリズム」が銀座ヤマハのサロンで行われたので受講しました。50席ほどの会場はほぼ満席。2時間ほどの講座は、お弟子さんのピアノ実演をまじえながらすすみました。
因みに稲森訓敏先生は、われらが稲森康利先生の甥ごさんです。

「音楽のリズム」マティス・リュシー著 稲森訓敏監修
(中央アート出版社)¥2100(税込)

前半はリュシーが音楽表現の研究を始めた動機や、先生がリュシーの著作を研究するようになったいきさつを話され、後半は簡単な曲を取り上げて実際にこのメソッドでどのように分析するかを説明されました。
楽譜上には音の高さ、長さ、強さ、テンポ、何拍子かなどの情報があります。しかし、それらを正確にピアノで演奏したとしても、音楽的な演奏とはいえないのは明白です。ではどうしたら表現すべき「音」を見つけることができるのだろうか。たとえ和声や形式を学んでも解くことができないこの問題に、今から130年前に取り組んだのがマティス・リュシーです。その成果を「音楽表現概論」「音楽のリズム」などの本にまとめました。コルトーとダルクローズ(リュシーの理論に基づきリトミックを開発した)は直接リュシーから習い、ラフマニノフとホロビッツは学校の授業で、カザルス、ティボー、シュナーベル、ブゾーニは独学で、リスト、ルビンシュタイン、ハンス・フォン・ビューローは友人としてリュシーの理論を学び自分の演奏に応用しました。それほど重要な著作でありながら、日本では30年前、当時大学院生だった稲森訓敏先生が国立音楽大学の図書館で原書を発掘するまで埋もれたままだったのです。
                                                          ※クリックすると拡大します。
和声や形式は音楽大学でも教えられていますが、音楽表現に関しては個人個人が感覚的にとらえたものを教授されることはあっても、理論的で系統的な指導はなされてきませんでした。したがって、用語も聞きなれないものや、通常使われる意味合いとは別な意味合いを持っているものがあり、リュシーメソッドで楽曲を分析するためには、まずはこれらに慣れ親しむことが必要でしょう。特に講座のタイトルにも使われている「リズム」という言葉は、通常、ボサノバのリズム、ワルツのリズム、ジャズのリズムなどのように使われますが、リュシーメソッドでは「動いて止まる1塊の立体的運動体」といった意味で使われます。リュシーメソッドによれば、的確にフレージングした上で、このひとかたまりの音の中で中心となる音やアクセントを持つ音を理論的に見つけていくことができるのです。

もちろんリュシーメソッドは、クラシック音楽の音楽表現に関するものです。しかし考えてみれば我々が取り組んでいるジャズやポピュラー音楽は、インド音楽でもアラビア音楽でもなく、まさしく西洋音楽の大きな流れの中にある音楽です。ポピュラースタイルの演奏にはリュシーメソッドを大いに活用できそうです。また、ジャズもクラシック音楽とは全く違う点を持ちながらも、明らかにたくさんの共通点を持っています。もしジャズについても音楽表現の構造が解明されたらすばらしいことです。リュシーメソッドはジャズの音楽表現研究にも大きなヒントとなりそうです。

文:茂木千加子

リュシーメソッドホームページ
http://homepage3.nifty.com/lussy-method/


稲森訓敏「音楽のリズム」公開講座2013/05/13 07:40

来る6月28日(金)午前10:30~12:30に銀座のヤマハにて公開講座を開くことになりました。興味のある方はふるってご参加ください。詳細は添付されたチラシをご覧ください。なおこの講座はクラッシックの演奏能力が上達するための講座でジャズ・ポピュラーのリズムとは関係ありません。

リュシーメソッド代表 稲森訓敏2013



         ※詳細はこちら(クリックすると拡大します)


リュシーメソッドホームページ
http://homepage3.nifty.com/lussy-method/