The Gentle Rain (ジェントル・レイン) ― 2012/06/06 18:26
新緑の季節が終わり東京でも梅雨入りを間近に控えた今回は、雨にちなんだスタンダードの中から♪The Gentle Rain(邦題「ジェントル・レイン」を取り上げました。
<概略>僕たちは迷子になりこの世でひとりぼっち。この優しい雨の中を僕と一緒に歩いて行こう。頬を伝う君の涙は温かくてまるで柔らかな雨のよう。恐がらないで、僕がいるから。僕たちの愛はきっと甘く、とても切なく、とても優しい、この雨のように。
ルイス・ボンファ作曲、マット・デュビイ作詞、もとは1966年のブラジル映画「ザ・ジェントル・レイン」の主題歌です。世間からはじき出された2人が優しく寄り添い、愛に希望を見出そうとする内容の歌詞。後半にAnd our love will be sweet, Very sad, very sweetとあります。sweetとsadが韻を踏むことによって、孤独を抱えた者同士の愛は甘く優しいだけでなく悲しみも伴うという2つの局面が効果的に強調されているように感じました。
シンプルながら雨の日の2人の情景が目に浮かぶようなもの悲しい歌詞ですが、このrain(雨)は比喩としても使われていて「世間の冷たさ」や「孤独や恐れ」を象徴しているのでしょう。gentle rainは「優しい雨」「柔らかな雨」「穏やかな雨」のように訳せますが、この歌詞では、そんな冷たい雨も2人一緒なら優しく感じるという意味合いで使われているように思います。
ところで英語の冠詞や単数/複数の表現は私の頭を悩ませる事項のひとつですが、「優しい雨」を英語にする場合、gentle rain, a gentle rain, the gentle rainの3通りが考えられます。無冠詞のrainは雨を全般的な天気や雨量として捉えた場合に用い、色々な雨のうちのひとつ、1回の降雨として捉えた場合は不定冠詞(a)をつけ、この歌詞のように現在降っている雨(或いは、先程まで降っていた雨)について言う場合は定冠詞(the)を用います。例えば、もしこの歌詞の表現が the gentle rain(この優しい雨)ではなくa gentle rainだったら、「優しい雨」を雨のひとつの種類として捉えていることになり「(冷たい雨でもなく土砂降りの雨でもなく)優しい雨」という意味になります。a full moon(満月)やa blue sky(青空)なども同様です。このように英詞や英文を読み解く際に定冠詞/不定冠詞の有無や視点の相違がポイントになることはよくあります。
日本の「梅雨」は一般に英語ではthe rainy seasonと言いますが、他にも、rainは複数形で使うと「長い雨」「強い雨」という意味になり、the rainsで「雨期」「梅雨」を表すことができます。雨の日を指折り数えて晴れの日を待ち望む季節もすぐそこですが、しっとりとジャズを聴くにはよい季節かもしれません。
文:藤澤ゆかり
<概略>僕たちは迷子になりこの世でひとりぼっち。この優しい雨の中を僕と一緒に歩いて行こう。頬を伝う君の涙は温かくてまるで柔らかな雨のよう。恐がらないで、僕がいるから。僕たちの愛はきっと甘く、とても切なく、とても優しい、この雨のように。
ルイス・ボンファ作曲、マット・デュビイ作詞、もとは1966年のブラジル映画「ザ・ジェントル・レイン」の主題歌です。世間からはじき出された2人が優しく寄り添い、愛に希望を見出そうとする内容の歌詞。後半にAnd our love will be sweet, Very sad, very sweetとあります。sweetとsadが韻を踏むことによって、孤独を抱えた者同士の愛は甘く優しいだけでなく悲しみも伴うという2つの局面が効果的に強調されているように感じました。
シンプルながら雨の日の2人の情景が目に浮かぶようなもの悲しい歌詞ですが、このrain(雨)は比喩としても使われていて「世間の冷たさ」や「孤独や恐れ」を象徴しているのでしょう。gentle rainは「優しい雨」「柔らかな雨」「穏やかな雨」のように訳せますが、この歌詞では、そんな冷たい雨も2人一緒なら優しく感じるという意味合いで使われているように思います。
ところで英語の冠詞や単数/複数の表現は私の頭を悩ませる事項のひとつですが、「優しい雨」を英語にする場合、gentle rain, a gentle rain, the gentle rainの3通りが考えられます。無冠詞のrainは雨を全般的な天気や雨量として捉えた場合に用い、色々な雨のうちのひとつ、1回の降雨として捉えた場合は不定冠詞(a)をつけ、この歌詞のように現在降っている雨(或いは、先程まで降っていた雨)について言う場合は定冠詞(the)を用います。例えば、もしこの歌詞の表現が the gentle rain(この優しい雨)ではなくa gentle rainだったら、「優しい雨」を雨のひとつの種類として捉えていることになり「(冷たい雨でもなく土砂降りの雨でもなく)優しい雨」という意味になります。a full moon(満月)やa blue sky(青空)なども同様です。このように英詞や英文を読み解く際に定冠詞/不定冠詞の有無や視点の相違がポイントになることはよくあります。
日本の「梅雨」は一般に英語ではthe rainy seasonと言いますが、他にも、rainは複数形で使うと「長い雨」「強い雨」という意味になり、the rainsで「雨期」「梅雨」を表すことができます。雨の日を指折り数えて晴れの日を待ち望む季節もすぐそこですが、しっとりとジャズを聴くにはよい季節かもしれません。
文:藤澤ゆかり
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