[Cinema de Jazz]“The Days of Wine and Roses” ― 2011/11/22 17:16
新シリーズ”Cinema de Jazz”は、映画で取り上げられたスタンダードナンバーを紹介します。映画と音楽は切っても切れない仲。映画のために作られた音楽が、ストーリーやキャストの魅力を借りて、ヒットすることも多いですね。何気なく聞く音楽の背景を、映画を通して探っていきます。
意外と知られていないのが、“酒とバラの日々”。スタンダードナンバーで演奏されることの多い曲ですが、同名タイトルの映画“酒とバラの日々”は、アルコール依存症を描いた社会派ドラマでした。コメディー俳優ジャック・レモンが、シリアスな役柄に挑戦し評価を得た映画でもありました。のちに、彼は自分自身アルコール依存症だったと、インタビューで答えています。
1962年、TVドラマ作家であるJ・P・ミラーの脚本を、ブレイク・エドワーズが監督しました。ブレイク・エドワーズは前年には“ティファニーで朝食を”を発表しています。挿入歌としてヒットした“ムーンリヴァー”は、作曲家ヘンリー・マンシーニ、作詞家ジョニー・マーサーのコンビで作っていますが、この“酒とバラの日々”も同じコンビでの作品で、アカデミー歌曲賞ならびにグラミー賞・最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞を受賞しています。ちなみにブレイク・エドワーズは“サウンド・オヴ・ミュージック”でもおなじみのジュリー・アンドリュースと結婚し、おしどり夫婦として知られていました。
映画のストーリー:宣伝会社に勤めるジョー・クレイ(ジャック・レモン)とひょんなことから知り合った秘書のカーステン・アーセン(リー・レミック)は、お互いに惹かれ結婚をします。仕事の付き合いで酒が過ぎるジョーをたしなめていたカーステンですが、彼を理解しようとするあまり、自分も飲むようになります。だんだんとお酒におぼれて行き、ジョーは仕事での失敗が続き、職を失うまでになります。カーステンは飲みつぶれてアパートを火事にしてしまいます。禁酒しようとしてもふたりはいつも失敗をし、ついには貧民街に住むようになりました。カーステンの父親は植物園をやっていました。このバラ園で働くようになったふたり。しかしここでもふたりの依存症はひどくなる一方。強制的に入院させられたジョーは、自分のやっていたことを深く後悔し、紆余曲折の末、やっと断酒に成功します。妻にも酒を絶つことを薦めるジョーですが、彼女は依存症だということを認めようとはせず、ついに娘のデビーとジョーを残し、ひとり去っていきます。デビーがジョーに聞きます。「ママはいつ戻るの?」「病気が治ったら、きっとママは戻ってくるよ。神さま、勇気と知恵を与えてください」とジョーは答えます。
こんな切ないラストシーンで、アルコール依存症の怖さを訴える映画でもありました。
文:池田みどり
意外と知られていないのが、“酒とバラの日々”。スタンダードナンバーで演奏されることの多い曲ですが、同名タイトルの映画“酒とバラの日々”は、アルコール依存症を描いた社会派ドラマでした。コメディー俳優ジャック・レモンが、シリアスな役柄に挑戦し評価を得た映画でもありました。のちに、彼は自分自身アルコール依存症だったと、インタビューで答えています。
1962年、TVドラマ作家であるJ・P・ミラーの脚本を、ブレイク・エドワーズが監督しました。ブレイク・エドワーズは前年には“ティファニーで朝食を”を発表しています。挿入歌としてヒットした“ムーンリヴァー”は、作曲家ヘンリー・マンシーニ、作詞家ジョニー・マーサーのコンビで作っていますが、この“酒とバラの日々”も同じコンビでの作品で、アカデミー歌曲賞ならびにグラミー賞・最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞を受賞しています。ちなみにブレイク・エドワーズは“サウンド・オヴ・ミュージック”でもおなじみのジュリー・アンドリュースと結婚し、おしどり夫婦として知られていました。
映画のストーリー:宣伝会社に勤めるジョー・クレイ(ジャック・レモン)とひょんなことから知り合った秘書のカーステン・アーセン(リー・レミック)は、お互いに惹かれ結婚をします。仕事の付き合いで酒が過ぎるジョーをたしなめていたカーステンですが、彼を理解しようとするあまり、自分も飲むようになります。だんだんとお酒におぼれて行き、ジョーは仕事での失敗が続き、職を失うまでになります。カーステンは飲みつぶれてアパートを火事にしてしまいます。禁酒しようとしてもふたりはいつも失敗をし、ついには貧民街に住むようになりました。カーステンの父親は植物園をやっていました。このバラ園で働くようになったふたり。しかしここでもふたりの依存症はひどくなる一方。強制的に入院させられたジョーは、自分のやっていたことを深く後悔し、紆余曲折の末、やっと断酒に成功します。妻にも酒を絶つことを薦めるジョーですが、彼女は依存症だということを認めようとはせず、ついに娘のデビーとジョーを残し、ひとり去っていきます。デビーがジョーに聞きます。「ママはいつ戻るの?」「病気が治ったら、きっとママは戻ってくるよ。神さま、勇気と知恵を与えてください」とジョーは答えます。
こんな切ないラストシーンで、アルコール依存症の怖さを訴える映画でもありました。
文:池田みどり
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