国立音楽大学静岡県同調会でジャズ演奏2018/10/11 14:12

2018年9月24日(月・祝)富士市文化会館ロゼシアタ-でプロムナードコンサートが催された。国立音楽大学の同窓会組織である静岡県同調会が主催するコンサートで今回が6回目。ピアノ、声楽、クラリネットによるクラシックの演奏とともに、イナモリ・メソッド研究会理事の赤池よし子さんが藍沢エイジ(Bass)さんとのデュオでジャズ演奏を行った。稲森康利先生のアレンジによる「Smoke Gets In Your Eyes」「Dindi」と赤池さんのアレンジで「愛燦々」が演奏された。

ベーシスト藍沢エイジさんは、10月にイナモリ・メソッド研究会の理事に就任された。イナモリ・メソッドの教材のCDほとんどすべてでベースを演奏してくださっている。40年以上にわたり稲森康利先生と演奏されてきた方である。
18.9同調会ちらし

赤池演奏18.9

赤池.藍沢
   赤池よし子 藍澤エイジ(敬称略)

リュシーメソッド第3回公開講座2018/10/12 16:02

2018年9月26日(水)国立のAIスタジオで第3回リュシーメソッド公開講座が開かれた。
今回のテーマは「小さなルバート」で、リズム内部におこるルバートの構造を解説していただいた。これはマティス・リュシーの本にはなく、稲森訓敏先生の研究による独自のものなので、今回の講座はこれが聞ける貴重な機会だった。

頂点にむかってaccel.し下りはrit.するという前半a、後半rの法則。
最初と頂点と終わりにrit.、その途中は登りも下りのaccel.する山登りの法則。
これにパセティックアクセントやイクタスがあるときの法則。
音の長さによるa.と.r.の変化。

今までは感覚的に処理するほかなかったことがらだが、なるほどと思うことばかりだった。このように明快に捉えれば、もっと表現が明瞭で豊かになるに違いない。
しかし、ひとりひとりがその音をどのようにイメージするかが問われるところでもある。個性がでるところでもあり、センスが問われるところでもある。講座の資料としていただいたいろいろな譜例をもとに、まずはコツコツと理解を深めたいと思う。
先生が、風のそよぎ、水の流れなどのように自然は常に変化し同じことはおこらない、とおっしゃったのが印象的だった。楽譜に記された音を細やかに変化に富んだ演奏として再現したいものだ。

ジャズバラードの場合は、ルバートとして大きな共通点はありながら、メトリックアクセントは2,4拍と決定的に違う。フレーズの細かい部分でもアクセントの位置が違う。リュシーメソッドのように明瞭に把握できるとよいと思うが、これは一筋縄では行かない。 (茂木千加子)


         「音楽リズムの表現法」稲森訓敏著(中央アート出版社)
         「音楽のリズム」稲森訓敏著(中央アート出版社)

九州支部第3回懇親会2018/10/30 15:38

10月20日(土)、イナモリ・メソッド研究会九州支部では、今回も松宮敬先生主催の懇親会が飯塚市のアルクカフェで行われました。
九州支部懇親会3
     〔前列〕梶原曜子 松宮敬 〔後列〕木下進 深町善久(敬称略)

今回の議題は、前回の懇親会で決まった曲の分析です。稲森先生の「ジャズ・ピアノ・スタンダード」の中から、I Fall In Love Too Easilyを松宮先生に分析、解説していただきました。
今回は黒本(近年セッションで使用されているジャズ・スタンダード・バイブル)の
コード進行と照らし合わせながら、キースジャレットと稲森先生が使用されている
コード進行を、それぞれ比較しました。曲中の代理コードや4thコード、アッパーストラクチャートライアドを細かく解説していただきました。
懇親会3-1
イントロに関しては、研究会で使用している理論テキストSTEP5の図と、松宮先生が用意された譜面で、コード進行の説明がありました。
懇親会3-3
エンディングは、今田勝さんのアレンジもお薦めとして、譜面を用意していただきました。個人的には、キースジャレットのコード進行の話や、今田勝さんのアレンジが新鮮に響き、また違った角度からこの曲に取り組めそうです。
懇親会3-2
今回は、深町先生編曲の「おぼろ月夜」の譜面が配られました。1回目の懇親会から積極的にジャズアレンジを持ってきてくださいます。前回は、お店のピアノで演奏していただきましたが、今回はお店が混んでいたため、聴くことが出来ませんでした。機会があれば聴かせていただきたいです。

次回は来年の1月。テーマは新アレンジ版(1999年と2010年発行の「ジャズ・ピアノ・スタンダード」に収録)の「My Foolish Heart」に決まりました。
「ジャズ・ピアノ・スタンダード」は基本的に、テーマのみのアレンジ曲集なので、
アドリブパートは記載されていませんが、今年の8月から、稲森先生ご自身による
アドリブパート譜面がイナモリ・メソッド研究会会員の方限定で入手できるように
なりました。(PDF形式)。これだけでも十分な価値があるため、私の教室でも生徒の
皆様に研究会に入会することをお薦めしています。  (レポート 木下 進)