[Jazz on Youtube]“My foolish heart“ by Bill Evans: inamorimethod blog

ビル・エヴァンス　　“My foolish heart“

http://www.youtube.com/watch?v=a2LFVWBmoiw&feature=player_embedded

横浜・野毛にジャズ喫茶の草分け「ちぐさ」という店があり、日本のジャズ史に大きな影響を与えました。ここには渡辺貞夫や穐吉敏子、日野皓正などが足しげく通い、当時貴重だったレコードを聞きかじっては勉強しました。オーナーの故・吉田衛氏は、ミュージシャンたちをサポートすることが生きがいでした。2010年10月8日から10日間、閉店した店が、ある屋内に完全復元されました。当時のオーディオも修理され、保存されていたおよそ3000枚の貴重なレコードに針が落とされました。最初にかけたレコードは、ビル・エヴァンスのアルバム“Waltz for Debby”。吉田オーナーが何より愛したのが、この中の “My Foolish Heart”です。閉店時には毎日、これをかけていたそうです。

今回からは作曲家シリーズに代わって、実際の演奏映像を見ていただこうと、”Youtube”から動画を選んでいます。
この動画については、演奏日付など詳細がわかりませんが、共演者は以下の通りです。
Bill Evans : piano,Larry bunker : drum , Chuck Israel : bass.

彼の音に集中する姿は、見ていて身につまされるほどの緊張感を感じます。だからこそあれほどのリリカルなサウンドが生まれるのでしょう。

ビル・エヴァンスは1980年、9月15日、肝硬変に肺炎を併発し51歳で亡くなりました。彼にとっては覚悟の死だったようで、最後の演奏はニューヨークのライブハウス「ファット・チューズデイ」でした。彼が音楽人生の最後に選んだ曲は“My Romance”でした。 DVD“The Universal mind of Bill Evans”を見たときに、手がむくんでいるのが気になりました。肝硬変の病状だったようです。この映像ではまだ手はむくんでいません。

池田みどり